よつ葉牛乳-牛達の体内の秘密-
【草と牛の関係について】
ここで私が少しばかり調べた牛と草の生命的なつながりを書き添えます。牧草は、かつてユーラシア大陸の森林周辺に自生していた雑草で、牛、山羊、羊などが家畜化されるにつれて人間が選別と改良をして出来たものです。
大きく分けて、イネ科とマメ科に属するものがあります。
牧草の王様といわれるライグラス類、他にオーチャード、トールフェスク、チモシー、クローバーに代表される豆科ではアルファルファを牧草の女王と呼んでいるようです。
一般にイネ科の牧草は、繊維質に富み、マメ科の牧草は蛋白質とミネラルが豊富であるという特徴を持っています。
これらの牧草を食べた牛は、いつも「よだれ」を出しながらモグモグしているのですが、これは草食動物特有の反芻(飲み下した食べ物を再び口に戻して噛むこと)なのです。
牛の一日の反芻の時間は、のべ8時間位にもなるそうです。
牛の胃袋は、体腔の3分の1を占めていると言われますが四つにわかれ、第一胃が胃全体の3分の1をしめています。
何しろ一度に150リットルもの食べ物が入るそうです。
牛の胃腸の動きを大雑把にまとめますと、第一の胃のルーメンには植物繊維を分解する微生物が棲んでいて、それが草に付着していた微生物と共に食べたものを分解します。
蛋白質を分解してアミノ酸とアンモニアに、炭水化物を分解して脂肪酸とする。
繊維質を分解して酸にするといった具合です。
これらの生成されたものは逆に胃の中の微生物の増殖を助ける働きをし、餌から吸収する蛋白質に加えて微生物自身の蛋白によって牛が体内で作っている牛乳の蛋白質の価値を高めるという複雑な仕組みになっているそうです。
そしてこれらの微生物の働きによって分解生成された各種のビタミンや、酸類を牛は栄養としているのです。全て不思議な世界というほかありません。