神楽坂123青木さんの四季折々つれづれ食材コラム

食材のスペシャリスト青木紀代美さんによる 厳選おすすめ食材コラム

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喜界島産 かぼちゃ

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喜界島産 かぼちゃ

思いがけず、生産者の今井確様(89才)が、私たちを驚かせ喜ばせようと、秋11月にかぼちゃの苗を育ててくださり、何と今年3月にかぼちゃが届きました。

初めてのことで嬉しいことでした。その影響もあって、1ヶ月遅れの通常の春かぼちゃの出荷です。

毎度申しますが、サンゴ礁の化石が隆起した、全島白い砂島。サンゴ礁が持っているミネラル豊かな土は、人為ではかないません。

実の充実した色あざやかな栄養満点のかぼちゃです。そのままでも蒸してでも、冷凍して北海道の秋かぼちゃが出るまでつなぐのもよいかもしれません。

 

私たちの会が、喜界島とご縁をいただいて15年ほどになりますが、この「春かぼちゃ」は初めての入荷です。今井確さん90才、奥さま86才。高校生のお孫さんの応援もいただいて、秋に作づけしてくださいました。(例年入荷のかぼちゃは、お正月すぎに作づけしてくださっています)
私が喜界島の今井さんご夫妻に初めてお目にかかったのは15年前。

伝統古式黒糖づくりを島で唯一人守っておられた岡田忠二さんから依頼され、サトウキビを刈る仕事をお手伝いするために、杉俣さんと喜界島にお尋ねしたとき、ご紹介いただきました。

ご主人の確さんは、一、二年体調がおもわしくなく、淋しそうにしておられました。「少し体をさすりましょうか」ということで、お付き合いが始まり、喜界島まで月二回のペースでかよいました。

ある時、私おたずねしました。
“いま一番なさりたいことはなんですか?”
“夜の海づりがしたい。しかし誰も釣りに出て良い。と言ってくれない”

私は、ご家族とご友人の方にお願いしました。舟を出して夜の釣りにお付き合いください、と。

今井さんは、すぐにお元気になられて、「青木さんの大好きなカボチャを作ります」と。

それ以来今日まで15年作り続けてくださっています。そして私たちは、美味しいかぼちゃとの出会いを楽しんでいます。

中腰の作業を80才以上の方がなさるのは、つらいお仕事と思いますが、とてもお元気で「またカボチャいりますか?」と遠慮がちにおたずねくださいます。有難い生産者さんです。

 

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