稲葉さんの無洗浄平飼有精卵 なぜ有精卵を選ぶのか?
なぜ有精卵なのでしょうか?
有精卵には、ヒナに眠らせるいのちが宿っています。 私たちが食についての活動をするとしたら、そのような、 いのちある食材を提供しなければ意味がありません。
現代人は食べものを商品にしてしまったために、いのちの価値を忘れています。 私たちはみんな、いのちをいただいて生きています。 卵も肉も魚も野菜も、そこにはすべていのちが宿っています。食事のとき「いただきます」といって、両手を合わせます。これは、 「あなたのいのちをいただきます」と、食べものに対して感謝の気持ちを伝えているのだと思っています。
最近では、果物でも何でも種なしがもてはやされています。 種なしということは、いのちは宿っていないニセモノの食べものです。 種なしの果物を作るため、ホルモン剤が使用されています。 いのちをいただくはずの食べものに、いのちが宿ることがないようにして います。 栄養分は遜色ないかもしれませんが、いのちというものを最初から持ち合わせて いない食べものです。
いのちを持たない食べものを、食べものと呼べるでしょうか? 私たちはすっかりそんな食べものに慣れきってしまいました。 そして、目の前の食べものにいのちが宿っているかいないかすら気づこうとしなくなっています。 あのころ、卵に有精卵と無精卵とがあるなんて誰も知りませんでした。 有精卵に異常が あれば、ヒヨコが解らなかったり、障害を持ったヒヨコが産まれたりしますが、無精卵では、そもそも異常に気づきようがありません。もともといのちが宿っていないのですから。 広い敷地でたくさんの鶏を飼い、たくさんの有精卵を作っていた稲葉さんはその後、 議選に出るなどご活躍でしたが、無理が重なったせいか道半ばで亡くなりました。当時、 一五歳ぐらいだったご子息の稲葉一さんが跡を継ぎ、もう還暦と伺いましたが、この有精卵を作りつづけています。